薄毛の悩みが深刻化すると「治療」という二文字が浮かぶもの。
ただ、薄毛治療には時間がかかり、効果を実感するまで3ヶ月~6ヶ月の時間を要します。
薄毛の改善が見えないと不安になってしまいますし、中には「薄毛治療に効果はない」と誤解してしまう方も。
髪が生えるメカニズムさえ知っていれば、不安や誤解は解消されることでしょう。
今回は発毛の仕組みをお教えします。
毛周期
髪には毛周期(ヘアサイクル)が存在します。
この毛周期は「成長期」「退行期」「休止期」があり、女性の場合は4~6年の間で行われます。
薄毛解消を考えるのでしたら毛周期を正常に戻さなければなりません。
成長期
毛周期のサイクルにおいて、成長期は古い毛髪が抜け落ちて、新しく元気な毛髪が成長する時期をさします。
そのため、毛髪を成長させるために毛母細胞が活発に分裂を繰り返す時期です。
期間は2~6年。
正常な毛周期ならば、髪の約90%がこの成長期に該当します。
退行期
成長を終えた毛球部が縮小し、毛母細胞の分裂が減少することで毛髪の成長が弱まる時期。
退行期が起こる期間は2~3週間で、髪の1%と考えられています。
休止期
毛母細胞の分裂が完全にストップし、毛髪が頭皮に留まっているだけの時期。
期間は約3ヶ月~6ヶ月。
髪の10%前後が休止期に当たります。
正常な髪ならば、休止期にある毛の下から新しい毛が誕生し、成長期を経て強い髪の毛が育っていきます。
割合としては成長期が9割、休止期が1割なので髪の毛が抜け落ちたとしても成長期にある毛が圧倒的に多いので薄毛になりません。
しかしストレスや生活習慣、睡眠、喫煙、フケ、ホルモンバランスの影響によって
毛周期が乱れてしまうことがあり、
成長期・休止期の割合にも変化を与えてしまいます。
薄毛の方は休止期の割合が増え、毛の成長に理想的な状態ではなくなってしまいます。
薄毛治療を始めても、休止期の3ヶ月~6ヶ月の間にある毛の周期は早めることができません。
休止期が終わり、成長期が始まるまで待たなければなりません。
そのため、毛周期が乱れていて、髪全体の休止期の割合が増えてしまったり、休止期自体が長くなってしまっている場合、
薄毛治療の効果が実感しづらくなってしまいます。
また、薄毛治療によって髪の毛が生えたとしても、目で確認できるほど髪の毛が伸びなければ効果の実感は難しいでしょう。
しかし、髪の毛が伸びるスピードは1日あたり0.1mm~0.3mmほどで、1ヶ月でようやく3mm~1cmと非常に時間を
要します。
患者様に即効性を求められる事もありますが、髪の毛の成長するスピードを通常のヘアサイクルより速めることは難しい
ので、3ヶ月から半年は経過をみていただきたいと思います。
「継続は力なり」というように、目に見える効果が出るまで続けなければ、今まで費やしたお金や時間が無駄になります。
毛周期と毛の成長するスピードも考慮して、髪の毛の成長をゆっくり見守ってあげて下さい。