髪の毛の95%は、18種類ものアミノ酸が結合した「ケラチン」というタンパク質でできています。しかし、タンパク質の一番の役割は、内臓など重要な器官の栄養になること。したがって、体内で不足すると、生命活動に関係しない髪の毛には、タンパク質が充分届けられません。その結果、髪の毛の材料が不足して、薄毛や抜け毛を引き起こすことに。
タンパク質はアルコールや喫煙などによって減少するので注意が必要です。
ビタミンB1:細胞の成長と修復をサポート
ビタミンB2:細胞の再生を助け、皮膚や髪の再生を促進。不足すると、髪や皮膚のトラブルが起きやすくなる
ナイアシン:代謝に関わる重要なビタミン。皮膚の機能を正常に保つ働きが期待されている。
ビタミンB6:細胞の分裂や成長に不可欠。不足すると皮膚が脂性となり、フケが出ることも。
ビチオン:毛髪や肌のビタミンとして知られ、白髪や抜け毛を防ぐといわれている。
パントテン酸:ストレスに対する抵抗力を生み出すビタミンとして有名。骨、血液、コラーゲン、ヒアルロン酸の生産に関わっている。
亜鉛:約300種の酵素を活性化させるために必須のミネラル。新陳代謝や細胞の成長に重要な働きをしている。
メチオニン:体内で葉作り出せない必須アミノ酸。タンパク質を作り出すシグナルを発して、髪の毛を作り出す。
指でつまめないくらい、カチカチの頭皮は、血流が悪くなっている証。毛根に栄養を運びにくくなっているので、どんなに栄養素を摂取しても、効果は半減してしまいます。
頭皮の血管は、おでこ側の「前」、後頭部側の「後ろ」に大別されます。ですから、前ばかりマッサージしても、後ろの血流はよくなりませんし、反対に後ろばかりマッサージしても、前の血行は促されません。前からと後ろから、それぞれ頭のてっぺんに向かってマッサージするのが、頭皮全体の血行を促すポイントです。
抜け毛の原因のひとつに、「テストステロン」という男性ホルモンが関係しています。テストステロンには、抜け毛を引き起こす働きがあるため、ストレスや加齢などによって、ホルモンバランスが崩れると、抜け毛が起きやすくなります。
ブラッシングを1日に何度も行うと、摩擦によってダメージが生じます。ブラッシングは、1日1回、髪のもつれを取る程度で充分! 同様に、シャンプーのゴシゴシ洗いもNGです。髪の毛は、いわば死んだ細胞なので、刺激が強すぎても安全装置が働きません。つまり、自分で意識して、摩擦やダメージを避けるしかないのです。いかに、摩擦やダメージを避け、生まれたときの状態を保ちながら成長させるかが、美髪を育むポイントです。
1:38度くらいのお湯で予洗いをする
お湯が熱すぎると、頭皮にとって必要な脂が落ちしまい、
乾燥を招くのでNG。
38度くらいのお湯で、まずは毛穴をふやかします。
2:シャンプーを手のひらで泡立ててから、髪にのせる
シャンプーは、事前に泡立ててから髪にのせましょう。髪にのせてから泡立てると、余計な摩擦が生じるため、髪の毛が傷みやすくなります。
3:地肌をマッサージするように、やさしく洗う
たっぷりの泡で、地肌をマッサージしながら、ていねいに洗います。顔を洗うのと同じような気持ちでやさしく。下から上、つむじに向かって螺旋を描くように洗うと、血行がよくなり、顔色もよくなります。
4:耳の裏など、泡が残りやすい部分もしっかりすすぐ
頭皮にシャンプー剤が残っていると、かぶれたり、髪がごわついたりする原因になるので、しっかりすすぎましょう。耳の裏など、洗い残しが多い部分も忘れずに。仕上げに、おでこからシャワーを当てて、生え際の泡もきちんと流しましょう。
髪の毛の95%はケラチン(タンパク質)でできていますが、タンパク質は、約60℃で変性します。その結果、毛髪内部の水分が流出し、パサつく羽目に。ヘアアイロンは、高温で髪を形付けるので、髪にとってはダメージが大! 美髪のためには、ヘアアイロンを使わないのが懸命です。また、ドライヤーで乾かす際は、40~60℃程度がよいでしょう。髪をドライヤーに近づけすぎず、2~5分くらいで終えるのが理想です。
頭皮は太陽に最も近いため、実は紫外線ダメージを受けやすい部分。
毛髪の95%は、アミノ酸が結合して構成されたタンパク質でできていますが、紫外線を浴びると、その結合が分解するため、毛髪のキューティクルがはがれて内部が乾燥し、パサパサに。さらに、紫外線には強い酸化力があるので、頭皮の皮脂やスタイリング剤が酸化して、過酸化皮脂に変わり、毛穴を詰まらせることも。すると、ハリ・コシのある髪が育たないため、パサパサヘアが続くと同時に、抜け毛が増える危険もあります。
フケは、大きく分けて2種類あります。1つは、乾燥が原因で起こる、パラパラとした乾燥タイプ。もう1つは、過剰な皮脂分泌が原因の、ベタベタとした脂性タイプ。乾燥タイプは、主にシャンプーをしすぎることによって、皮脂が取れすぎてしまい発症します。ですから、フケが出るからといって、1日に何度もシャンプーをするのは逆効果! 余計、頭皮が乾燥し、フケが出やすくなってしまいます。
いっぽう、脂性タイプは、余分な皮脂を除去できていないことが原因です。たっぷりの泡で、皮脂を吸着して取り除くことが大切ですが、かといって、1日に何度もシャンプーするのはNG。皮脂が取れすぎると、「皮脂が足りない!」と判断した頭皮が、過剰に分泌することも。つまり、乾燥タイプ、脂性タイプ、いずれにせよ、シャンプーは1日1回、正しい方法で行なうのがポイントです。また、脂性タイプは、「脂漏性湿疹」という病気の場合もあります。気になる場合は、医師にご相談ください。
ストレスも、フケを招く大きな要因です。まず、ストレスによって交感神経が刺激され続けると、皮脂が分泌されるので、それを栄養源にする菌が増え、フケが出やすくなります。また、ストレスによって血行が悪くなり、新陳代謝が落ちると、頭皮のターンオーバーが狂います。その結果、角質がはがれやすくなり、フケが目立ちます。
実は、白髪の原因は、医学的にはっきり特定されていません。ただ、考えられる原因としては、遺伝、加齢などによって、メラニン色素を作るメラノサイトという色素細胞の働きが悪くなるのが原因ではないかといわれています。 髪を作り出す毛母細胞が作るのは、実は元々は白髪です。その白髪に、メラノサイトが出すメラニン色素が取り込まれると、黒髪になります。ところが、遺伝や加齢、生活習慣、ストレス、病気などが原因で、メラノサイトに何かしらの異常が生じると、白髪のまま成長してしまいます。
髪の毛は、毛根から2~3本ずつ生えていますが、白髪を抜くと、白髪と一緒の毛穴から生えている大切な黒髪の毛根も傷つけてしまう危険があります。すると、埋もれ毛になったり、薄毛になったりしやすいうえ、毛根に衝撃が加わることで、メラノサイトの働きも阻害されやすくなります。